2009年08月24日

小泉改革の熱狂と「政権交代」の熱狂

小泉改革における構造改革・規制緩和は、元々明確に格差の拡大を意味していました。漫画家の小林よしのり氏が漫画で「本当にこれで良いのか!!(良い訳ない!)」と一人でさんざん騒いでいたのを覚えています。
あの頃は、まだ日本はバブル後から抜け出しておらず、勝てる人だけでも勝たないと日本は沈んでしまう、などと言われていました。
それを皆で支持し、その結果日本の景気は一応回復し、日本企業も勢いを取り戻して海外で普通にそこそこの戦いをしています。
つまり、郵政選挙で具体的にどう言ったかは覚えていませんが、小泉改革は基本的に実現したのではないでしょうか。
派遣社員が多くなったことについては、勿論このままではいけないでしょう。
しかし、派遣切りについては、皆もう忘れたようですが、派遣社員が切られなければ正社員が切られます。若年層のリストラだって悲惨ですが、中高年のリストラはもっと悲惨でした。ローンが払えなくなってマイホームを追い出されたりとか、年齢が高いので求人が殆どなかったりとか、子供を残して自殺してしまったりとか。
そういう話を忘れて、派遣切り、派遣切り、と騒いで派遣解禁が悪の元凶のように言うのはどうなのでしょうか。
また、小泉改革では、当時野党が説得力のある対案を出すこともなく、現実的にはそれしか選択肢がありませんでした。そして、別にそれが単純なバラ色の未来なんかを約束した訳ではなかったにも拘らず、野党は、まるで国民が自民党に騙されたがごとく言い立てています。
つまり、改革の選択は結局のところ皆の自己責任だったにもかかわらず、野党は自分の責任や国民の責任を全て自民党になすりつけ、それで当然のごとく振る舞っています。

そうです。皆さんは自民党に騙されたんです。

なので、皆さん、今度は私たちの言うことを聞けば大丈夫なんです!!

…野党が直接こう言っている訳ではありませんが、まあ大体こんな感じと言って良いでしょう。
では、今回は小泉氏ではなく、野党の言うことを聞くとどうなるのでしょうか?
小泉氏が自分の改革の負の部分をわざわざ強調したりはしなかったように、野党だって自分達の改革の負の部分、というか(順当に)失敗すればどうなるかなどと言うことをわざわざ強調したりはしません。

まず、最低賃金の引き上げと、製造業への派遣の禁止で工場は海外へ出て行き、職が減ります。現在、日本へ戻る傾向にあった日本メーカーの工場は、現在やはり日本では無理と、また工場を海外に移そうとしています。あの亀山工場のシャープですら、日本での生産をある程度諦めて、中国かどこかに行こうとしています。その中で人件費が大幅に上がることになれば、出て行かざるを得ない会社も多く出るでしょう。
そして、工場ではなくても、人件費が上がれば潰れる会社(店)もやはり出てくるでしょう。そうやって給料が上がる代わりに、職の絶対数は減ってしまいます。そして、経済が悪くなり、税収も減ってしまいます。
しかも、人件費が上がれば当然物価も上がります。
しかし、自営業なんかだと給料は上げられないかもしれませんし、年金だってその急激であるはずの物価の上昇に合わせて上がるかは何とも分からないので(最低賃金700円⇒1,000円の物価上昇には国庫は合わせられないかもしれません)、格差は今以上に大きくなるかもしれません。

田舎で新しい高速道路が出来ると、皆都会の人たちが来てお金を落としてくれるのではないかと期待を寄せたそうですが、実際はそう都合よく運んでいません。
現実には、地元の人達が、都会へ出て買い物をするようになり、地元で買い物をする量が減ったそうです。
高速料金の全額国庫負担化は、全国的にそういう流れを加速させるのではないでしょうか。
現在の休日千円乗り放題でも影響があるだろうと思いますが、行き帰りの計2,000円がなくなると共に、ガソリン税の暫定税率がなくなれば、遠出をするハードルが現在よりも低くなります。
勿論、観光地や、その田舎から買い物をしに出かける人たちが行くところでは、経済効果はかなりあるでしょう。
なので、そこのところでも、きっと格差が生まれます。その制度で恩恵のある人達と、その割りを喰う人達が生まれる訳です。
そして、勿論二酸化炭素の排出だけは単純に増えるでしょう。

子供手当は、それ自体はあった方が良いのではないかと思うのですが、現在財源が不明です。
そして、鳩山氏の発言を見るに、いわゆる「マンガの殿堂」は無駄とも無駄でないとも、現在誰にも言い切れないにもかかわらず、彼は問答無用に無駄と切り捨てます。
そして彼にとって「マンガの殿堂」こそが無駄の象徴です。
つまり、彼が無駄だと言って予算を削るものは、本当に無駄なのかは客観的にかなりの疑問符がつきます。
そして、無駄を削れば必ず予算が出ると言い続けている手前、相当強引に各方面で予算を削ることが予想されます。
そして、現在、子供手当は貯金に回ることが危惧されていますが、実際特に今回の場合、貯蓄に回る可能性が高いと思われます。
なぜなら、民主党がずっと政権にいるだろうなどとは思わず、いずれ自民党が与党に復帰して子供手当を廃止するだろうと思う人が多いと考えられるからです。
中学卒業までに確実に〇〇万円もらえると計算が出来れば、計画的に使うことが出来ます。しかし、今回はそうではありません。
それらの結果、この制度が原因で思ったより経済が落ち込むことが考えられます。
大阪府などでは、かなり無駄を省いたと聞きますが、あまり分かりませんが、あれは節約したお金を借金返済に回し、夕張市のようになるのを避けたのではないでしょうか。
借金が減り、破産を避けられたり、市(国)の信用力が増してそれが何かに有利に働くのであれば、無理をして「無駄」を減らしても、プラスになるのかもしれません。
しかし、民主党の場合は無理をして節約し、それを皆に配り、それがどうも貯蓄に回ろうとしています。
なので、恐らく、民主党のやろうとすることは、大阪府などのそれとは違うものであると考えられます。
勿論、子供手当をもらっても、民主党政策下の職が少なくなる中で失業してしまえば、結局もっとお金に困る訳です。

農業の戸別所得補償制度について。
自民党は自民党で何も策はないようですが、こんな政策を受け入れたら、日本の農業は終わりへの道へとはっきり転落するかもしれません。
なぜなら、こんな政策下では必ず農作物の質が落ちるからです。勿論余程考え抜いて上手にやれば別かもしれませんが、多少質が落ちても収入が保証されるとなれば、やはり質は落ちるでしょう。なので、普通こんな荒っぽい政策は誰も考えないはずです。
しかし、こんなレベルの低い(としか見えない)政策を堂々と掲げるので、皆何か裏があるのかと勘繰って、誰も指摘できないのが現状です。(笑)
質が落ちれば、何のために補償などするのかという話になり、いずれやはり選挙を通じて補償は打ち切られるかもしれません。
日本の農業は、規模の追求には無理がある以上、質を追及するしか道がないので、それに反するような政策は、一見マシなものに見えても、日本の農業に損害を与えるものと思われます。

皆が自己責任を認めるなかで反省をすれば、小泉改革の時には見えなかった、改革の影の部分、これから行われる改革の影の部分を見つめることだって出来るはずです。
しかし、野党の甘言に乗って全てを自民党のせいにし、自民を否定しさえすれば良いと考えるのであれば、また同じことになりかねません。
多重債務者に、借金を返す手伝いをしてあげると言って近づき、もっと危ないところから借金をさせる悪徳業者の話がありますが、今の日本では、民主党がまさにそれということになりかねません。
他人からすれば、おかしいと思わなかったの?と不思議に思う訳ですし、後になれば、何でおかしいと思わなかったのだろう?、となるわけですが、現実には野党の甘すぎる甘言(自民が悪い+バラマキ公約)に乗ろうとしている訳です。
多分、貧しい人の方が現在民主党を支持しており(上手くいっている人の方が変化を好まないだろう、と)、実際後で困るのも、どちらかと言うと貧しい人の方だろうと思います。
大東亜戦争では、あの破局を避けたければ、我慢できないところで我慢するしかなかったのですが、今回も我慢できなさそうです。
まあ鳩山由紀夫の献金問題辺りで、早く民主党が退場してくれれば、政策の本格的な実行前に保守政権に戻るかもしれないので、とりあえずそれだけが希望です。
もっとも、まだ負けた訳ではないのですが。

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この記事へのコメント
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突然、失礼しました。
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Posted by hikaku at 2009年08月24日 02:26
コメント
初めまして。
>多重債務者に、借金を返す手伝いをしてあげると言って近づき、もっと危ないところから借金をさせる悪徳業者の話がありますが、今の日本では、民主党がまさにそれということになりかねません。

とても上手い表現で思わず、うなりました!
まさにその例え通りだと思います!
Posted by 翡翠 at 2009年08月24日 18:26
初めまして。
コメントを残して下さって、ありがとうございます。

>とても上手い表現で思わず、うなりました!
ありがとうございます。
頑張って考えた甲斐がありました!(笑)
Posted by 管理人 at 2009年08月25日 00:49
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