国民生活センターと読売新聞
http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20060406_1.html
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20060417ok01.htm
サイクロン式だと空気の渦を利用してゴミと空気を分離するので、紙パックをフィルターにし、そこにゴミを溜めてゆくている紙パック式よりも吸引力が落ちにくい。何となく程度にサイクロン式をご存知の方はそう思われるのではないでしょうか?
…ちょっと違うんです。テレビでダイソンというイギリスのメーカーが、本物のサイクロン式はダイソンのものだけです、というようなことを言ってますが、その通りです。ダイソンのものだけが空気の渦でゴミと空気を(ほぼ)選り分けます。では他のメーカーはサイクロン式と謳いつつ何を売っているのでしょうか?実は空気の渦だけではゴミと空気を分けることが出来ず、フィルターを使ってゴミを取り除いているんです。つまり、紙パックをフィルターとする紙パック式とそれほど変わらないんです。
しかも、紙パック式ではゴミが一杯になれば交換すればそれでOKです。しかし、フィルターを使うサイクロン式では自分でフィルターを洗わなければならないんです。そして、それをサボると吸引力がどんどん低下します。
ダイソン以外の掃除機メーカーも、技術的にはダイソンと同じ仕組みを作るのは恐らく簡単でしょう。しかし、どうやら特許で彼らと全く同じ事は出来ないようになっています。
ただ、そのダイソン製にも裏があります。国民生活センターのサイトのPDFファイルを見ていただければ分かりますが、吸込仕事率の最大値のカタログスペックが、値段では劣る国内有名メーカー製のものの何と半分以下です。更に、国民生活センターの計測値では、カタログスペックとの差が-28%と下げ幅までが最高値(最低値)を記録しています。
しかし、そのダイソン製も、じゅうたん上に撒いた砂ゴミの除去率では、トップの50%を記録しています。
矛盾した結果にしか見えませんが、実はそのダイソン製、フローリングに撒いた小麦粉を、テスト参加機種の中で唯一、一往復で吸い込めません。何故か掃除機をかけた個所の中央部に筋が残るとあります。
高額機種では当然のようですが、ダイソン製も吸込み口に回転ブラシを装備しています。恐らくその回転ブラシが絨毯に強い仕様で、フローリングにかける場合には隙間が出来るために、中央部という一番吸い込む力が強いはずの部分で吸い残しが出来たものと考えられます。もちろんそれでも吸引力が十分強ければ、吸入口を寄せただけで吸い取ってしまうと思われますが。
また、ダイソン製は国内有名メーカー製の物と比べると騒音が大きいとあります。サイクロン式自体、紙パック式よりは騒音が大きいようですが(PDFのデータだけでなく他でもそう言われてました)ダイソン製はダントツです。そして国内製では当たり前となった回転ブラシの安全装置も、2005年に販売されている仕様では未搭載とあります。その辺り、日本製は至れり尽せりなのかもしれません。
サイクロン式においてダイソンの先行を許してしまい、重要な特許も押さえられてしまった(らしい)日本勢ですが、日本の名だたる家電メーカーはそんなことでは挫けませんでした。
フィルターを使わざるを得ないのであれば、そのフィルターを自動で掃除すれば良いということになり、モーターで振動させてゴミを振るい落とす仕組みを考案し、何と最長10年間メンテナンスフリーという商品まで生み出しました。この泣かせるハイ・ローテクな仕組みは何故かダイソンの技術を一応超えてしまったようで、ダイソンも遅れて7年半メンテナンスフリーというサイクロン式掃除機を去年になって発売しました。ただ、もちろんこの機能は、ダイソン製以外の全てのサイクロン式に装備されているとは限りません。安いものにはないでしょう。
他にサイクロン式の問題点を挙げれば、紙パックがない分ゴミ捨ての際、埃が舞い上がるということがあるようです。紙パックでもその交換時には埃が出ますが、交換自体頻繁に行う人はそれほどいないでしょう。しかし、サイクロン式はゴミのケースの容量が小さいので、頻繁に行わなければなりません。これはダイソン製にも当てはまります。
また、ゴミがケースに直接入っていることに抵抗を感じたり、手が汚れたと不快に思うケースがあるようです。
http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/column/2007/12/21/1726.html
ただ、サイクロン式でもゴミを圧縮して格納する方式のものもあるようなので、その場合には事態はマシになるようです。
http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/column/2008/03/18/2063.html
(ん?フィルターにこびり付いた埃をブラシで掃除するならメンテナンスフリーじゃないんじゃないかと…)
次は紙パック式に関してです。紙パック式の欠点はゴミが溜まると吸引力が落ちることが第一に挙げられています。しかし、その定説はデータを見る限りでは(私はサイクロン式を使ったことがありません)、の話ですが、どうやら伝説だったようです。PDF(フル)の5ページを見て下さい。モデルゴミを10グラムづつ吸わせるごとにデータを取り、グラフ化したものがあります。それによるとサイクロン式よりも、それらに比べ約半額の紙パック式のものの方が優秀です。サイクロン式はフィルターの自動清掃機能を使いながらであるにもかかわらずです。
ただ、その定説の発生源であるはずのダイソン製ですが、それだけは確かに吸引力の低下は大して見られません。しかしダイソン製は元々の数値が低いんです。フローリングの小麦粉を上手く吸えないわけですから。そしてその吸引力があまり変わらない…という話です。
また、そのグラフ上では値段が倍違うからか差は見られませんが、普通紙パック式の方がサイクロン式よりも元々の吸引力が強いです。実際同一メーカーの同一時期発売・同価格帯の製品を比べると紙パック式の方がスペックが少々上になってます。これは原理的な問題で、渦を作るために空気の流れを曲げるサイクロン式は、モーターのパワーが同一であれば紙パック式よりパワーがでないのです。だから結局、紙パック式の方がよほどゴミを溜めこまなければ、吸引力で勝るのかもしれません(サイクロン式もゴミを溜めこんではいけませんし、頻繁に捨てなければならないのはサイクロン式の方です)。
また、ダイソン製以外のサイクロン式の幾らかが、オートメンテナンスの機能を持つのであれば、紙パック式も何とかならないものでしょうか。実は紙パック式でも最近の高額機種であれば、紙パックを叩いて目詰まりを遅らせる機能が実装されています。それで従来の6倍吸引力が長持ちするとのことです。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2006/09/0929.html
最近の掃除機は凄いですね…と言いたいところですが、なら蓋をあけて自分で紙パックをトントンと叩けば同じやん(携帯のブルブルを当てるとかも)、と少し悲しい気分になりました。また、日々紙パック自体が改良されて来ており、以前より目詰まりしにくいものもあるようです。もっとも高品質品ほど値段も張ると思われますが(サイクロンにしても性能の良いものを買えば高いですが)。
また、掃除機の排気は臭いです。それは紙パック式しか使ったことのない人には当たり前の話だと思います。しかし、どうもサイクロン式は全く臭くないようです。ゴミを頻繁に捨てる結果、空気の汚れも避けられるようです。ただ、この点も紙パック式においても改良されてきており、紙パック自体の改良と、フィルターや光触媒がどうのという話の結果、現在では殆ど臭くないようです。もちろんそれも値段に比例する話だと思いますが。
では、サイクロン式と紙パック式、どちらが良いんでしょうか?
国民生活センターの資料を読む限りでは答えは出てる気がしますが、日立アプライアンス株式会社の石井吉太郎氏はこう語っています。
>8月に続いてサイクロン式、紙パック式を同時発売することについては
>、「どちらを買っていただいても、性能はほとんど変わらない。細か
>いゴミ捨てを厭わず、紙パックにお金を払うのはいやだという人はサ
>イクロン式を、逆に2〜3カ月に1回くらいのゴミ捨てで済ませたいとい
>う人は紙パック式を選択していただきたい」とコメントした。
http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/19/1345.html
ここに載ってるような高額機種を買う人は紙パック代など気にしないでしょう。ですから、掃除機に溜まるゴミを頻繁に捨てるのが面倒な人は、紙パック式にすれば良いという事なのでしょう。
安い機種を買う人であれば、紙パック代を重要視するのも分かります。しかし、掃除をあまりしない人であれば紙パックをそうそう変えないでしょうから、紙パック代も大した額にはなりません。もっともその場合にはサイクロン式のゴミ捨ても時々ということになりますが。
逆に掃除をよくする人だと、最初のリンク先の国民生活センターサイトにあるように、フィルターを洗ってしまうとしばらく使えません。なので、洗った後に掃除し忘れた個所に気付いたり、新たにどこかを汚してしまうと大変問題となります。
ですから、よほど紙パック代にこだわるのでなければ、ここからも紙パック式の方が「無難」程度には言えるのかもしれません。
ところで、色々と読んでみて思ったことは、実はサイクロン式か紙パック式かということよりも、回転ブラシ(メーカーによって名称は様々)が重要かもしれないということです。回転ブラシとは掃除機の吸い込み口のブラシにモーターを付けるか、吸引力を利用して回転させるかしてゴミを集める仕組みのことです(いつからあるものか知りませんが、私は見たことがない…)。掃除機掛けは結構疲れるものですが、その仕組みにより必要とされる力が半分程度になるとのことです。これは画期的に思えます。そしてこれは実験の比較に使われた安めの紙パック式掃除機にも付いています。
フローリングにこぼした小麦粉さえ吸うのに難儀なダイソンのサイクロン式の名声は、この回転ブラシの設定をじゅうたん向け設定することで得られているように思えます。
フローリングの床といえば元々欧米のものに思えますが、土足は論外ですし、wikiを調べてみるとどうも日本が発祥のようです。また、日本には畳もあります。そして日本人はそれらに寝そべったりしますから、その掃除はじゅうたんに劣らず重要です。しかし、欧米においては屋内は土足ですから、砂や土で汚れるじゅうたんを綺麗にする仕様こそが重要なのかもしれません。
サイクロン式か紙パック式かの問題では、安易なほど手軽な解決法があります。実は両用品が存在してるんです。もっともあまり低い価格帯ではなさそうですし、二兎追う者は一兎も得ず、になる可能性もあるかもしれませんが、迷う人には良いのではないでしょうか。
楽天で何故かというか何と言うか掃除機の売上ランキングがあります。
http://event.rakuten.co.jp/ranking/electronics/204492.html
そしてそこでサイクロン部門で8週連続一位だったという三菱製品があるんですが、それがサイクロン式と紙パック式の両用で、しかも回転ブラシも付いて2万円程度というなかなかに購買意欲をそそられる一品です。使ったことがない私には良いかどうか判断できませんが、購入者の評価を見る限りでは良いようです。ちょうど買い替え、二台目など考えていらっしゃる方はいかがでしょうか。
Yahoo!の方も貼っておきますので、特に安いのでいいやという方?は参考にして下さい。
最初に楽天に貼ったのと同じ機種はこちら。
追記:
紙パック式では吸引力を引き伸ばす裏技があります。サイクロン式で頻繁にゴミ捨てをするように、紙パック式でも紙パックから無理やりゴミを引き出して頻繁に捨てれば良いのです(笑)。勿論そんなことをすればホコリが凄いでしょうが、スーパーの袋の中か何かでやればホコリもどうにかなるでしょう。もっともそこまでやるなら、最初からサイクロン式にすれば良いのですが。
※また掃除機に関して書く予定がありますので(多分紙パック式のまとめです)、是非またいらして下さい!!


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大変参考になりました。
我が家の掃除機は まだ(もう?)8年目になりますが、最近急に吸引力が衰えてきたように思います。ちょうどサイクロン式・紙パック式、どちらにするか考えるようになったところです。私の性格から考えると、また紙パック式にしそうですが・・(^^;
とりあえず、もう少し考えてみます。
ありがとうございました。
コメントが入ってたことに気が付きませんで大変失礼いたしました。m(_ _)m
この記事が参考になったとの事で、ありがとうございます。
>私の性格から考えると、また紙パック式にしそうですが・・(^^;
どうもサイクロンは面倒らしいということでシェアが落ちてきたそうですから、多くの人がそう考えるのだと思います。(^^;
>とりあえず、もう少し考えてみます。
買う時に決めれば良いわけですから、ごゆっくり考えてみて下さい。
どうもありがとうございました。