2008年05月18日

日中外交とパンダ

パンダは友好の証などではありません。なぜなら、レンタル料つがいで年一億円も大きいですが、それ以上にレンタル料が払えなくなって返還された例があるからです。

パンダを借りる日本とパンダに会えない中国の子供

それは韓国の動物園の話です。日本の動物園ですら年一億では高いのですから、外国でもっと困っていても不思議ではありません。

しかし、不思議なのはレンタル料を引き下げなかった中国です。パンダも一応友好のシンボルになってるわけですから(だからパンダ外交という言葉があるはず)、お金を払えないならパンダは返していただきます、では済まないはずです。しかし、現実として金を払えなければパンダを引き上げる訳ですから、パンダは寧ろ非友好のシンボルと言えるでしょう。

チベットのパンダを盗んで日本の子供をだますな(写真)

とチベット人(なのかその支持者なのか分かりませんが)が日本人に訴えてます。もっとも別に全てのパンダがかつてのチベット領内に住んでいるわけではないらしいですが(パンダ百科事典)、全てのパンダを独占してその中から日本に貸すわけですから、間違ってるというわけではありません。

隣国の国民の感情を傷付けるな云々言うのであれば、日本人も中国人も彼らの感情を傷つける真似は当然止すべきでしょう(隣国ではないけれど道義的にはそうのはず)。しかし、現在どちらも一瞥すら与えていません。

http://j.peopledaily.com.cn/2003/12/03/jp20031203_34641.html

リンリンは18歳、シュアンシュアンは16歳。若いとは言えない。生まれれば1頭目はチャプルテペック動物園、2頭目は上野動物園のパンダになる約束だ。「借りる財政的余裕はない。大きな期待がかかる」と上野動物園の担当者は話す。

上野動物園の担当者が「借りる財政的余裕はない」と言い切ってます。

ちなみに、上のリンク先にあるように、

中国が友好の証しに世界各国にパンダを贈る「パンダ外交」をしたのは、60年代〜80年代初め。日本にも72年、上野にランランとカンカンが来た。2頭の死亡で80年代初めに、再び雌雄が贈られた。
この「夫婦」は3頭を産んだが、子ども同士の交配はできないことから、1頭を中国・北京動物園と無償で交換した。リンリンはそれで上野にやってきた。
その後、中国はパンダを「贈答」から「賃貸」に切り替えた。

とあるので、亡くなったリンリンは無料でした。

これは4年半ほど前の記事ですが、状況が変わったという話は特に聞かないので、財政的に無理なんでしょう。もっとも一担当者の発言に過ぎないと言えばそうかもしれませんが。

ここでふと思ったんですが、パンダが日本にくれば子供や一部の大人は大喜びです。でも、パンダはどうなんでしょうか?親兄弟、仲間にさよならも言えず連れ出され、その後は里帰りすることもなく(何か例外的なのを聞いた気もしますが)、異郷の地で果てるわけです。もっともそれを言い始めたら動物園を運営するのは無理なんですが、今の時代、当のパンダのことも少しくらい考えてあげても良いと思います。

パンダ有償貸与「疑問は少数派」 福田首相が中国のテレビに

メディアの一部でいろんなことを言う人がいるが、これはごくごく少数派。ほとんどはかわいいパンダを見たいと思っており、手放しで喜んでいる」と強調した。

パンダ貸与、91%が受け入れ反対

都民の意識調査したらね、金払うならいらんなという人が97%いたよ

高いと思わず手放しで喜んでいる人こそ、ごくごく少数なのではないでしょうか。友好だと言ってパンダ一組で年一億も払うのに、眉をひそめない人なんてそんなにいるとは思えません。

毅然とした背中を見せられないなら、皆の前から去れと福田氏には言いたいです。


追記:

福田氏は嘘をつくなり、国民の意見など確かめずにそれを代弁したわけですが、全く問題になっていません。仮に安倍氏が首相であれば大騒ぎになっていたでしょう。国民からの人気が政治基盤になっているかどうかの差だと思いますが、記者達はきちんと現首相に問うべきだと思います。単純に国民の気持ちを大きく誤解しているということだけでも問題だと思います。


関連ニュース:

パンダ2頭なら安い!福田首相に全面支持させた胡錦涛訪日の成果

中国、パンダの糞をオリンピックのお土産として販売へ

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2008年05月15日

聖火リレーを続ける中国

「われわれ中国人には良心のかけらもないのか」 聖火リレー続行に批判集中
>中国・四川大地震の発生翌日の13日、北京五輪の聖火リレーは福建
>省竜岩で予定通り実施された。しかし、スタート時には犠牲者を悼む
>行事はまったくなく、
どこかの国で、聖火リレーへの苛烈な抗議活動を避けるため、走者が30メートルごとに次の走者に聖火を渡し、数キロ走って「はい終わり」と先日やっていました。現在聖火は中国にありますが、中国での聖火リレーは北京のスタジアム前から始めたって別に構わないと言えば構わないと思います。平時はともかく、何か例外的な状況が発生していれば…。

進まぬ救助悲痛な叫び 倒壊の中学校 四川大地震
日本では緊急時の避難先となるのが当たり前の学校が、今回四川では尽く倒壊したそうです。ご存知の通り、中にいた生徒ともども…。この気が遠くなるような状況下で、よく聖火リレーなんて出来るものだなと呆れます。チベットの人達が必死に平和を訴える中、護衛をつけてまで聖火リレーをした人達は、やはりこういう凍えるような炎を運んだわけです。

救助の遅れが「政府の威信」損なう恐れも 四川大地震
>悪天候がヘリ不使用の理由だが、それなら米軍の全天候型ヘリの支援
>を求めればとの声になる。
>災害救助の経験豊かな日本の医療隊・救助隊派遣を、との声も、人命
>救助最優先との政府の看板に沿ったものだ。しかし当局は、外国の支
>援は当面物資や金銭だけとの方針だ。党への求心力を回復するには、
>自力で困難を克服する必要があるということだろう。
本当にここでオリンピックをやるつもりなのか、と。アメリカでかつてベトナム戦争に行ってきた兵士達が、行く時は英雄でも、帰ってからはベトナム人民に酷いことをした人たちだと侮蔑されたという話がありましたが(映画「ランボー」の背景)、それと少し似た状況になりかねないと思います。オリンピックに出る人達も生活が懸かってるかもしれませんが、どうしても出て活躍しないと人生が終わるというような人はいないと思います。このオリンピックで活躍しても立派とは思えません。多分泣きながら辞退を発表する人が一番尊敬を集めることでしょう。

首相「理解できない」 サイクロン被害でミャンマー政府に
弱者だけにではなく、強者にも苦言を呈しましょう。それでこそ一国のリーダーだと思います。

IOC会長、中国への非難中止を要求 発展には時間が必要
>国際オリンピック委員会(International Olympic Committee、IOC)
>のジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長(65)は欧米諸国に対し、北
>京五輪を控える中国への人権問題を振りかざした非難を中止するよう
>呼びかけた。
この人も踏みつけられる人達のことは見ていない様子です。ボイコットの話ならともかく、非難くらいは当たり前でしょう。人権問題で非難もするなと言う人が、あのオリンピック委員会の委員長になれるんだと驚きました。
しかも、
>ロゲ会長は「五輪が中国の社会の発展に貢献すると常々考えてきた。
>中国もそれを認めるだろう」と語り、北京五輪が「中国の門戸を開放
>する」役割を担うとの国際オリンピック委員会の立場をあらためて示した。
>チベット問題についてロゲ会長は、「北京五輪が無ければこの問題は
>新聞の一面ではなく4-5ページ目に掲載されたのではないか」と述べた。
>これまで果たした役割についてロゲ会長は、「国際オリンピック委員
>会は既に(中国社会の発展に)一定の成果を収めたが、各国首脳が我
>々よりも大きな役割を果たしたかについては疑問だ」と評価した。
五輪の開催地は五大陸を順番に…という理想もあるんでしょうが、一種の政治と、更に功名心のようなものまでもが垣間見えます。オリンピックはスポーツの大会です。選手と観客の(空気や食を含め)安全と安心こそが開催に当たっての絶対条件です。それなのにそれを軽んじて、中国にそこまでしてあげなければならないんでしょうか?


追記:
やはり批判が多かったようで、聖火リレーを縮小するようです。
聖火リレー縮小へ、中国大地震で
>孫氏は、リレーの縮小と手続きの短縮によって最も影響を受けるのは、
>各リレー区画の最初に実施される式典などのイベントになると述べた。
つまりはイベントを地味にするとしか見えないんですが…。

人的支援の受け入れ困難と中国 国内から疑問も
>北京の外交筋は14日、中国側の受け入れ拒否は政治的なものではな
>く、技術的理由に基づくとの見方を説明。「宿泊施設や食料を自前で
>すべて用意できる軍隊型組織でないと現地入りできないようだ」と指
>摘した。
一応理由になってるように見えますが、テントと食料が必要であれば、人民解放軍が運べば良いんです。これから外国から赴くチームの方が彼らより専門家のわけですから、食料やテントくらい優先すべきです(もちろんヘリが使える天候ならヘリも)。

中国・四川大地震:中国政府から支援要請なし
>町村氏は「(中国は)自己完結ですべてをしたい国柄と思う」と指摘した。
独裁国家ですので、深く考えなくても普通はこう思われると思います。福田首相にもそれを念頭に置いたコメントを出してもらいたかったです。福田氏のは「弱い子」の無難なコメントです。

四川大地震:中国、日本を初の人的援助受け入れ国に決定
>胡錦濤国家主席は今月初めに訪日したばかり。日本を受け入れ第1号
>に選んだことは、中国政府が、日本の豊富な災害救援経験を認めただ
>けでなく、日中関係を重視したことを意味している。
…何でしょうか、この気持ち悪い希望的観測は。さすがにそういう問題ではない気がしますが。

>中国外務省によると、日本以外の国に関しても近く人的援助の受け入
>れを発表していくという。
外国部隊が速く到着して国内部隊より効率的に作業されてしまうと、国民に対して中国政府の威信が下がるし、支援を拒否し続けれるわけにもいかないし…というところでの落とし所のように見えます。日本が最初なのは、単に世界に冠たる地震大国だからでしょう。

http://www.asahi.com/international/update/0513/TKY200805130355.html
>四川省では6月15〜18日にかけて、地震で甚大な被害を受けた綿
>陽など7都市で聖火リレーが予定され、その後、チベット自治区に移
>る予定になっている。
1ヶ月後だと地元住民を勇気付けるという大義名分も成り立つかもしれませんが、大地震の被害に遠慮なく聖火リレーを続けた実績からすれば、非歓迎でも仕方がないでしょう。
それにしても、その後チベットにも行くわけですね。チベット人にとっては、世界にチベット問題を大アピールする最後のチャンスかもしれません。荒れるのか、軍が押さえ込むのか…文字通りの最後の山場に見えます。

追記2:
聖火リレーの距離を短縮 16日実施の江西省南昌
江西省南昌の実行委員会は、四川大地震で被害が広がっていることを考慮してリレーの距離を予定より約10キロ短縮することを決めた。
中国メディアが距離の短縮を報じるのは初めて。

距離の短縮が発表になってます。「被害が広がっていることを考慮して」も1日も中止せず…。こういう国に舐められることは何を意味するんでしょうか。

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2008年05月06日

石原都知事とパンダ騒動

慎太郎都知事、パンダいらない!
石原都知事“パンダ不要論”に上野の売店怒りの声
そもそも石原都知事は単に記者と雑談しているわけでありません。上野動物園って実は都立なんです。
東京都恩賜上野動物園(wikipedia)
パンダと言えば日中友好のシンボルなどと言われますが(胡錦濤主席もしゃあしゃあと言ってます)、友好ならタダで貸してくれれば良いんです。友達に何かを貸してお金を取る人なんて普通いないです。しかし、中国はお金を取るんです。しかも、つがい一組で1億円です。しかもしかも、言わばそれまでの養育費として収めるわけでありません。1年につき1億です。
>石原知事は再び上野動物園のシンボルであったジャイアントパンダを
>レンタルすることについては「そりゃまあ、入場の人間(の数)が左
>右されるなら費用対効果を換算して考えればいい」とあくまでビジネ
>スライクなスタンスを強調した。
それは当たり前です。パンダフィーバーなんて遥か昔の話です。今の時代に感情的になって損得勘定も考えず、やたら高額なパンダを呼ぼうとすれば知事の素質を疑われます。

>中国の胡錦濤国家主席が6日から来日するのに合わせ、日本政府は
>ジャイアントパンダ2頭の貸し出しを中国政府に要請。チベット問題
>や中国製ギョーザ事件など課題山積の中、日中友好をアピールするの
>が狙いだ。
日本政府がお金を払うつもりなんですかね。遠くの人は上野動物園のパンダなんて見れません。払うなら他の動物園のパンダのレンタル料も国が払うべきですです(神戸の動物園は自前で赤字とあります)。
それはともかく、ギョーザ事件は曖昧だし、チベット問題も日本は特に何も言ってないようだし、日中友好の前にもっとやることをやって欲しいです。1組、1年につき1億円も払うのに下手に出てる場合ではありません。何事もなあなあで収めたい感が丸出しな気がします。

上野の売店の人達は、自分達の生活がかかってるわけですから感情的になるのも当然です。悪いのは都知事がらみだから話題になるぞと彼らを利用したスポーツ新聞の記者でしょう。ただ、それでもペイするかも考えず、パンダのため(それで食ってる自分達のため)に税金を投入することになっても当然のごとく言ってるわけですから、反省は必要だろうと思います。

中国の胡主席、日本へのパンダ貸与に前向き
>胡主席は「パンダが死亡したことは残念だ」と述べ、「パンダは日中
>友好のシンボル。新たなパンダの貸与について、関係部門で早急に検
>討している」と語った。
…だから、友好ならタダで貸して下さい。それがないと困るほどに中国が貧乏なわけでは全然ありません。
きっと1組1年につき1億も払って借りてるものが、日中友好のシンボルとなっていることを多くの国民は知らないでしょうし、知った時には引く人もそれなりにいるでしょう(私は引きました)。それなのにパンダ引渡し式典で満面の笑みを浮かべ、中国側代表に「シェイシェイ・シェイシェイ!」とお辞儀を連発する政治家のおじさんがいるわけですよ(多分)。そういう人にそういう外交の場に出てもらっては困るように私は思います。

中国側も、そんなことをしていればまともだと思われなくなる程度の想像力がないんでしょう。日本側の政治家も政治家ですが、向こうは向こうでその程度のレベルです。
しかも、日本側は自己利益の放棄の側に異常さの針が振れてますが、向こうは他人を利用する側に針が振れてます。ロクでもないのはどっちもどっちででも、(他人にとって)危険なのは片方です。

毎日世論調査:「中国には今より厳しく臨め」が51%
世論は中国に厳しくなってます。空気が読めてないのは上野の売店の人達と政府の側なのかもしれません。



2008年04月26日

[北京五輪]善光寺、何故意見が割れたのだろうか?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080424-00000074-mai-soci
>返上を主張したある住職は「仏教徒のチベット人を見殺しにす
>れば、日本仏教界にも白い目が向けられる。経済的にはデメリ
>ットかもしれないが、宗教家の筋は通せた」と話した。
…いや、なんかこう…ミニっちいことを言わないで、「人間としての筋を通せた」とカッコ良く出て欲しいんですけど、ダメなんでしょうか?狭い自分達の世界が白い目で見られるかどうかなんて問題にしてますので、ダメなんでしょうね…。

>「同じ仏教徒が弾圧されている。見過ごしていいのか」。17日
>、意思決定機関「局議」で激論がかわされた。天台宗や浄土宗の
>僧侶代表18人の意見はまとまらず、役員会(6人)に一任。役
>員会は夜になって返上の方針を固めた。
何で意見が分かれたんでしょうか。お坊さんたちに見過ごせるわけがないじゃないですか。第一彼らがしたのは聖火リレーの日本の出発地点を辞退したというだけのことです。別に北京五輪ボイコット、もしくは中国批判を繰り広げたわけでもなんでもありません。上の引用にあるように、まさか経済的にデメリットだからなんて情けない理由じゃないでしょうね。それではお釈迦様だってお嘆きになりますよ。そうです、世間に白い目で見られるかではなく、せめてお坊さんに位は天に堂々と顔向けできる生き方をしてもらいたいものです。
しかし、経済的デメリットといったところで善光寺などという有名な寺が潰れるわけでもなく、仮に潰れてもお坊さんなら托鉢して生きて行けば良いではないですか。給料が減ると子供の教育費が出せなくなって困るとか、私にはそんな理由しか思い浮かばないんですが、もしそうだとすればやはりお坊さんが結婚なんてしてはダメですよ。まあ何故かエロ事件で捕まるお坊さんすらたまにいますので、本物の立派な僧侶の生き方(と思われるもの)を安易に期待してはいけないのかもしれません。きっとそういうものはお坊さんの中でも立派な人が考えることなんでしょう。

ところで、このYahoo!の記事、毎日新聞の記事を買ったものなんですが、何と毎日新聞のサイトに載ってるものの方が短いです。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080424dde001040041000c.html
良い記事に見えるんですけど、毎日新聞はどういうつもりなんですかね。

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